話題の「高齢トレーダー」、その実態は。株式トレードに取り組む理由は「定年後の生きがい」「ボケ防止」のほかに「長期投資する時間がない」も


いま話題の「高齢トレーダー」について、65歳以上の方々の声をもとに、その実態調査を行いました。調査の結果、高齢者が株式トレードに取り組む理由から垣間見えてきたのは、高齢者ならではの事情でした。

87歳の現役トレーダーが話題に

2023年2月、87歳で69年の投資歴を持つデイトレーダーがテレビ番組で取り上げられ、さらにそれがTwitterで拡散されたことで、大きな話題となりました。

昨今広まっている「NISA」や「iDeCo」を活用したインデックス投資などとは全く異なる「デイトレード」の手法で、87歳という高齢にもかかわらず16億円もの資産をみずから日々運用していることが、多くの目に新鮮に映ったようです。

一般的に、毎日株の売買を行う「トレード」は、高齢の方には向いていないと思われるかもしれません。しかしながら、実はシニア層のトレーダーは多く、しかも、「高齢だからこそトレードに取り組みたい」と言って始める方も数多くいるのです。

なぜ、シニアが株式トレードに取り組むのか?

累計85万人以上の受講生をもつ「株の学校ドットコム」には、日々、数多くのお便りやメッセージが寄せられます。その中から65歳以上の方々の声をピックアップし、株式トレードに取り組む理由について調べてみました。

すると、「利益を得たい」「生活費の足しにしたい」といった誰もが持っている思いのほかに、他の世代にはない特徴が見えてきました。

定年後の生きがいやボケ防止のため

「持っている国債の利子の少なさから、変わるものはないかと株投資の長期投資を考え、ボケ防止で行ってきました。私は、72歳で緊張感のない生活をしていますが、残りの人生を充実させるために希望は高く緊張感を持ちたいと思っています。」(72歳・男性)

「私は今年7月で82歳になりますが、14年前に会社を退職してからは趣味の中の一つとして株の売買を楽しんできましたが、ご多分に漏れず利益はトントンと言う程度で大したことはありませんでした。不安もありますが、私が小さな投資家から、本当のトレーダーになれるとしたら今からワクワクしています。あと何年生きられるか分かりませんが、まだ頭は正常なうちに生きがいのある取引をして、趣味の仲間と愉快な人生を過ごせたらしあわせです。」(82歳・男性)

「株は、経済を知るために行いました。儲けはその次で考えていました。トレードはボケ防止には良いのではないかと思っています。儲けが出る様になったら、地域の技術者育成基金みたいなものを作れれば良いと思っています。 これを目標にします。」(73歳・男性)

株式トレードに取り組むことで、現役時代のように毎日に緊張感を持ち、また、充実感を得たいという思いがあるようです。

そのほかに、高齢者ならではの意見として「長期投資をやる時間がない」というものがありました。

長期投資に不安を感じたり、自分の状況に合わないと感じた

「年齢は65歳で、もうすぐ長年勤めた会社を卒業する予定です。コロナショックで順調だった積み立て投資が見る見る間に赤字になっていくのを経験しました。長期の投資と思っていましたが、やはりこれではいけないと思い、この機会に株式トレードの取引きをしてみようとはじめました。」(65歳・男性)

「総合不動産・鉄道・電機メーカーなどで何十年とほんの少しの配当のみの、株主です。その中の一つでありました大手海運も何十年と損切りできず、この6月全300株売却しやっと10万円ほどの利益で手じまいできました。これはいわゆる長期投資にあたるのでしょう。老い先短い小生にとり、この先さらに長い年月の投資はむりです。そんなとき株式トレードに出会い、まさしく目からウロコでした。」(80歳以上・男性)

「私は時間がありませんので、あまり資金も無いので投資は時間がないとダメなのでトレードでと思ってはいます」(70歳・男性)

インデックス投資をはじめとする長期投資は、最低でも数年〜10年、さらに15年、20年と株式を保有することで利益を得る手法です。高齢の方々が「そんな時間はかけられない」と考えるのも当然でしょう。

また、長期投資のデメリットの一つとして、相場が崩れた時にその影響を大きく受けてしまうことが挙げられます。上のコメントにもあるように、コロナショックで、それまで積み上げてきた資産の多くを失う恐怖を感じた方も大勢いるでしょう。

相場状況に合わせて機動的に動き、なおかつ下落時にも利益を得ることができるトレードは、資産の多い高齢者ほど魅力を感じるのかもしれません。

高齢トレーダーは勝てているのか?

では、そんな高齢トレーダーたちは、実際の取引で成果を出せるのでしょうか? 同じく、「株の学校ドットコム」に届いた受講生の声の中から、65歳以上の方々からいただいた成果報告を集めてみました。

成果の出ている高齢トレーダーたちの声

「8月度は、久しぶりに50万を超える利益を出すことができました。高齢なもので、時間だけは沢山あり、月~金は朝から株式トレードに熱中しております。トレードの要点みたいなものが、自分の中に芽生えてきている感じがする今日この頃です。少し、損をだしても、まったく気にならなくなりました。」(82歳・男性)

「2020年7月から、約700万円の資金で同年12月までに250万円、2021年が650万円、2022年はこのような相場状況ですので、苦労していますが、それでも1月から7月までに352万円の利益を上げています。できたら年1000万円に行けたらなと考えています。」(77歳・男性)

「私は顧問会社との契約で顧問料で1千万円の損を出した後、株は自分で考えなければダメだと悟り、現在は地道に取引を始め、100万円の資金で10ヶ月で60万円の+となり始めました。貴殿の株の学校に出会い、本質がより理解できました。」(82歳・男性)

トレードは自己責任で行うべきものであり、当然ながら、損失を被るリスクがあります。しかしながら、必要な勉強と訓練を行えば、利益につなげられるようになる道でもあります。実際に「株の学校ドットコム」では多くの高齢者がトレードを学んでおり、大きな利益を出している方も数多くいるのです。

高齢でも無理なくできるスタイルもある

トレードと言うと、「デイトレード」をイメージする人が多いでしょう。そのため、瞬間的な判断や長時間パソコンと向き合う必要があるから高齢の方には負担が大きい、と心配になるかもしれません。

しかし、必ずしも日に何度も売買をする必要はなく、数日から数週間のスパンで売買をしていく「スイングトレード」という手法もあります。この「スイングトレード」であれば、一日中パソコン画面を見つめ続けたり、細かな値動きに合わせて瞬時に注文を出したりする必要もありません。

高齢の方でも無理なく、日々の充実感や楽しみ、そして利益を手にできる選択肢のひとつとして、株式トレードは十分な要件を備えています。ただし、トレードに限らずすべての投資にはリスクがつきものですので、しっかりとした勉強をしてから取り組むべきであることは言うまでもありません。

また、たしかに高齢になってから始める方は一定数いて、成果を出している方も多いのですが、実際には、なるべく若いうちから経験を積んでおくほうが有利、ということも言えます。

「株の学校ドットコム」では、20代から80代まで幅広い年齢層の方が株式トレードを学んでいます。

長期にわたってトレードで成果を出し続けるための「トレードの本質」に焦点をあてた講義は、ゼロから始めたばかりの方だけでなく、長年取り組んできたけれどうまくいなかったというベテランの方からも高い支持を得ています。

これからも、ひとりでも多くの方の夢を叶えるお手伝いをすべく、10年後も20年後も変わることのない本質的な知恵の提供に努めてまいります。

※受講生の方々のコメントは、プライバシーに配慮して、一部修正してあります。

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