【窪田剛の注目株】半導体関連が失速したものの、気になる銘柄はたくさん


9月相場を振り返って

前半天国、後半地獄。

8月に行われたジャクソンホール後から9月15日まではいい形で上昇していたのですが、後半に入り、景色が一変してしまいました。為替も1ドル=149.5円と150円が目前。今後一体どうなってしまうのか。9月相場は不安の残る終わり方となりました。

8月終値9月終値騰落率
日経平均株価32,619円31,857円-2.34%
TOPIX2,332ポイント2,323ポイント-0.39%
東証グロース指数971ポイント938ポイント-3.40%

9月相場で上がった株・下がった株

そんな2023年9月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います。

・2023年9月の売買代金トップ20

順位コード銘柄売買代金
16920レーザーテック4.46兆円
28306三菱UFJフィナンシャル・グループ2.33兆円
39107川崎汽船1.67兆円
47203トヨタ自動車1.64兆円
59984ソフトバンクグループ1.47兆円
68316三井住友フィナンシャルグループ1.44兆円
78035東京エレクトロン1.40兆円
86857アドバンテスト1.11兆円
98058三菱商事9155億円
109983ファーストリテイリング8771億円
116758ソニーグループ8330億円
126861キーエンス8156億円
137011三菱重工業8098億円
148411みずほフィナンシャルグループ7681億円
159104商船三井7157億円
165406神戸製鋼所6957億円
177267ホンダ6821億円
189101日本郵船6693億円
195401日本製鉄6548億円
203186ネクステージ6405億円

・2023年9月の値上がり率トップ20

順位コード銘柄値上がり率
19306東陽倉庫+422.1%
22338クオンタムソリューションズ+144.6%
34963星光PMC+89.8%
44200HCSホールディングス+86.3%
57477ムラキ+72.5%
64882ペルセウスプロテオミクス+69.4%
75010日本精蝋+69.3%
86573アジャイルメディア・ネットワーク+60.6%
98613丸三証券+59.8%
102375ギグワークス+49.2%
115704JMC+46.3%
122323fonfun+45.8%
133779ジェイ・エスコム ホールディングス+45.5%
149246プロジェクトカンパニー+45.4%
153286トラストホールディングス+44.4%
167776セルシード+43.6%
177827オービス+42.7%
189327イー・ロジット+42.2%
196380オリエンタルチエン工業+41.4%
207131のむら産業+41.4%

・2023年9月の値下がり率トップ20

順位コード銘柄値下がり率
16173アクアライン-55.6%
22998クリアル-37.5%
37585かんなん丸-37.5%
47692アースインフィニティ-35.1%
55610大和重工-31.0%
63186ネクステージ-30.4%
74894クオリプス-30.4%
89337トリドリ-29.2%
97033マネジメントソリューションズ-27.1%
105139オープンワーク-26.8%
114075ブレインズテクノロジー-26.7%
122402アマナ-26.6%
134168ヤプリ-26.5%
144586メドレックス-26.0%
155136tripla-25.2%
167816スノーピーク-24.8%
172477手間いらず-24.7%
189565ウェルプレイド・ライゼスト-24.6%
193607クラウディアホールディングス-24.5%
207048ベルトラ-24.2%

9月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

半導体関連銘柄の失速

売買代金ランキング
【第1位】レーザーテック<6920> 4.46兆円(4.51兆円)  *()は先月分
【第7位】東京エレクトロン<8035> 1.40兆円(1.40兆円)
【第8位】アドバンテスト<6857> 1.1兆円(1.80兆円)

半導体関連銘柄が失速してしましました。レーザーテックだけはじわりじわりと上昇しているものの、先月末までの動きと比べるといったんお休みに入った感じがします。

売買代金ランキングでは、8月は上位20位までに半導体関連銘柄が7銘柄も登場していましたが、9月は3銘柄だけ。

【8月順位→9月順位】
4位→27位:ソシオネクスト<6526>
16位→22位:ディスコ<6146>
19位→29位:ルネサスエレクトロニクス<6723> 
20位→24位:信越化学工業<4063>

でも、チャートはまだ崩れていないので耐えてほしいところ。相場を牽引していた一角なので、引き続き注目です。ちなみに、売買代金1位のレーザーテックのほかには、ランク外ですがマクニカホールディングス<3132>が強い形を保っています。

休憩の邦船3社、強いメガバンク

売買代金ランキング
【第3位】川崎汽船<9107> 1.67兆円
【第15位】商船三井<9104> 7157億円
【第18位】日本郵船<9101> 6693億円

6月末から大きく上昇してきた邦船3社もいったん休憩。高配当銘柄の性か、中間配当の権利取りの日に向かって上昇……とはならずに、月後半は下落してしましました。次の配当権利日である3月末に向けてどう動くのか注目です。

売買代金ランキング
【第2位】三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306> 2.33兆円
【第6位】三井住友フィナンシャルグループ<8316> 1.44億円
【第14位】みずほフィナンシャルグループ<8411> 7681億円

収益改善期待で注目の銀行セクターですが、相変わらず強いです。でも、金利が上がったら住宅ローンを払えなくなる人が出るのでは。そうなると、不動産も投げ売りがあるのでは。

値段が上がり続けるマンションを買えなかった私は、虎視眈々と、不動産の値下がりを待っています……下がらないことはわかっているんですよ(涙)

気になる!

売買代金ランキング
【第4位】トヨタ自動車<7203> 1.64兆円
【第17位】ホンダ<7267> 6957億円

円安を背景にして大きな上方修正が見込めます。為替が気になる今、気になる!!

売買代金ランキング
【第5位】ソフトバンクグループ<9984> 1.47兆円

子会社のARMのナスダック上場を成功させたAIに全ツッパリ、気になる!

売買代金ランキング
【第13位】三菱重工業<7011> 8098億円

防衛、宇宙で業績上振れ。テーマも大きくて気になる!

売買代金ランキング
【第16位】神戸製鋼所<5406> 6957億円
【第19位】日本製鉄<5401> 6548億円

「鉄は国家なり!」と言い続けて半年が経ちました。ちょっと弱含みの展開。今後が気になる!

売買代金ランキング
【第9位】三菱商事<8058> 9155億円

5月にバフェットが買ってからずっと上昇してきたが、遂に息切れか? 気になる!

値上がり&値下がり

値上がり率ランキング
【第9位】丸三証券<8613> +59.8%(523円→836円)

ここ最近、東証の取引が活発になってきています。売買代金も2〜3兆円だったのが3〜5兆円と大きく増加しています。

売買が活況になると証券会社や取引所が盛り上がるのですが(主に野村ホールディングス<8604>、大和証券グループ<8601>、日本取引所グループ<8697>)、丸三証券は株主還元を前面に押し出して大きく上昇しました。

一時的な上昇だとは思うので注意が必要ですが、こういった銘柄を機動的に売買できれば利益が大きく増えるのになぁ〜と指をくわえて見ています。

値下がり率ランキング
【第7位】ネクステージ<3186> -29.2%(3,280円→2,282円)

ビッグモーターと損保ジャパンの不正が飛び火して中古車業界が燃えています。こちらも結局、不正していたということが明るみに出てしまい、株価が大きく下落。大丈夫か、中古車業界!

値下がり率ランキング
【第16位】スノーピーク<7816> -24.8%(1,579円→1,187円)

コロナ禍でキャンプブームになり、株価が大きく上昇していましたが、2021年にピークを付けてからはずるずると下落しています。

こういったブームに乗って株価が大きく上昇しているときには、よく「ユーザーで、会社が好きだから株も買っています」という声を雑誌やネットで見かけます。悪いことではないですが、こういう動きをするということも覚えておいたほうがいいでしょう。

投資なら「好きな会社」を買うのもいいけれど、トレードでやってはいけません。

年内に砂漠行こう!

9月が終わって、なんだか不穏な雰囲気になってしましました。日経平均株価も9月15日に33,634円を付けた後は冴えない展開が続いています。チャートはまだ崩れていないので、ここで踏ん張ってほしいところですが、ここから上に行くエネルギーがまだあるのか疑問が残ります。

年末に向けてだらだらと下落してしまうのか。それとも、大きな変化とともに株価が舞い上がるのか。

大事なことなので真面目モードでお伝えしますが、株価が下落しようが上昇しようがどっちでもいいのです。下落するならばそれに合ったやり方があるし、上昇するならば、やはり同じように相場に合ったやり方をすればいいだけです。

それよりもっと大事なことは、「株価が大きく上昇するなら、その波に乗る準備をしておかなくてはいけない」ということ。

日経平均は33,000円を付けた後は横ばいが続いていますが、ここから上に抜ければ35,000円、そしてバブル時の最高値である38,915円が視野に入ってきます。過去30年でいちばんの大波がいつ来てもおかしくない状況だということを忘れてはいけません。

もしもバブル後の最高値を付けるのであれば、その瞬間、大きな利益を上げていたくないですか? そのためには、今からでも遅くありません。しっかりと準備をしておいてほしいと思います。

余談ですが、日経平均の最高値の覚え方は「砂漠行こう!」です。38,915円(さ・ば・く・い・こー)。

日経平均よ、年内いこうぜ! さばくいこう!!

窪田 剛