【窪田剛の注目株】大きく崩れた日本株でもプロが監視を続ける半導体、トヨタ、商社


2024年4月相場を振り返って

4月の日本株は大きく調整してしまいました。上昇を牽引してきた半導体関連銘柄をはじめ、多くの銘柄がピークを付けて下落し、また、円も大きく下落しました。

  • 中東やロシアの地政学的リスク
  • 日米の政治的な影響
  • インフレと金利

そして、

  • 急ピッチな上昇

株価の重しになるようなことが多くありますが、急激な株価の調整により次の上昇の準備ができつつある、と見ることもできます。また、決算発表が続く時期ですが、企業業績は概ね好調なところが多いようです。

4月は調整となってしまいましたが、今後につながる1か月だった、と見ることもできます。

振り返りをしっかりとして、今後いつ大きな上昇の波が来てもいいように、しっかりと準備しておきましょう。

指数3月終値4月終値騰落率
日経平均株価40,369円38,405円-4.87%
グロース250746ポイント647ポイント-13.27%
ダウ平均株価39,807ドル37,815ドル-5.01%

4月相場で上がった株・下がった株

そんな2024年4月の株式相場を売買代金値上がり率値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄)。

・2024年4月の売買代金トップ20

コード銘柄売買代金
16920レーザーテック4.79兆円
26526ソシオネクスト3.36兆円
38035東京エレクトロン3.29兆円
46146ディスコ2.99兆円
59501東京電力ホールディングス2.20兆円
67203トヨタ自動車2.07兆円
78306三菱UFJフィナンシャル・グループ1.77兆円
89983ファーストリテイリング1.60兆円
96857アドバンテスト1.44兆円
107011三菱重工業1.24兆円
118316三井住友フィナンシャルグループ1.23兆円
127003三井E&S1.17兆円
139984ソフトバンクグループ1.06兆円
146723ルネサスエレクトロニクス1.02兆円
157735SCREENホールディングス9562億円
163778さくらインターネット9429億円
174063信越化学工業9233億円
186861キーエンス8737億円
198058三菱商事8684億円
206501日立製作所8589億円

・2024年4月の値上がり率トップ20

コード銘柄値上がり率
13905データセクション+204.8%
23469デュアルタップ+143.7%
35026トリプルアイズ+87.3%
44761さくらケーシーエス+71.9%
52776新都ホールディングス+63.8%
68708アイザワ証券グループ+50.5%
77886ヤマト・インダストリー+50.0%
83350メタプラネット+44.9%
92999ホームポジション+44.9%
103915テラスカイ+44.5%
116573アジャイルメディア・ネットワーク+42.3%
124587ペプチドリーム+42.0%
134726SBテクノロジー+39.6%
145216倉元製作所+38.2%
153739コムシード+35.5%
167599IDOM+34.4%
175208有沢製作所+34.0%
184264セキュア+33.9%
199509北海道電力+33.5%
209717ジャステック+31.5%

・2024年4月の値下がり率トップ20

コード銘柄値下がり率
18925アルデプロ-54.4%
23260エスポア-54.3%
33558ジェイドグループ-43.8%
42330フォーサイド-39.1%
53697SHIFT-38.0%
69158シーユーシー-37.1%
73791IGポート-37.1%
85586Laboro.AI-36.0%
95590ネットスターズ-36.0%
107426山大-35.5%
114169ENECHANGE-34.3%
126182メタリアル-34.0%
137829サマンサタバサジャパンリミテッド-32.9%
142397DNAチップ研究所-32.8%
159338INFORICH-32.6%
162970グッドライフカンパニー-32.2%
177901マツモト-31.9%
185337ダントーホールディングス-31.8%
195892yutori-31.7%
209270バリュエンスホールディングス-31.1%

4月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

まだまだ注目。

売買代金ランキング
【第1位】レーザーテック<6920> 4.79兆円
【第2位】ソシオネクスト<6526> 3.36兆円
【第3位】東京エレクトロン<8035> 3.29兆円
【第4位】ディスコ<6146> 2.99兆円
【第9位】アドバンテスト<6857> 1.44兆円
【第13位】ソフトバンクグループ<9984> 1.06兆円
【第14位】ルネサスエレクトロニクス<6723> 1.02兆円
【第15位】SCREENホールディングス<7735> 9562億円
【第17位】信越化学工業<4063> 9233億円

ここ数年ずっと強い半導体関連銘柄ですが、4月は大きく調整する銘柄が目立ちました。ただし、売買代金トップ20社のうち、ほぼ半数が半導体関連であり、まだまだ注目の業界であることは間違いありません。

さらに、業績自体はまだまだよいので、調整を挟みつつもそこまで大きく崩れずに、どちらかというとポジティブに推移していくんだろうなぁ、と思って関連銘柄を監視しています。

よく、崩れてしまうとすぐに監視をやめてしまう人がいるのですが、半導体関連銘柄はまだしばらくの間、監視をやめずに日々値動きを追っていくべき銘柄群です。必ずまたチャンスが来ると確信しています。

円安だから。

売買代金ランキング
【第6位】トヨタ自動車<7203> 2.07兆円

これだけ円安が続けば(151円→158円)注目せざるを得ないのが、トヨタです。

気になるのは、これだけ円安が続いても株価は調整が続いている、ということです。ただ、調整しているとはいえ調整幅は高値から10%程度ですし、チャートは堅調に推移しています。

さらに、ここまで円安が進むと、円ベースでの利益が大きく増加することになります。会社の想定レートも125円から141円と+16円も修正されているので、マイナスの影響ももちろん考えなくてはいけませんが、短期的な利益の増加という意味では大きく利益額に寄与します。

この円安が日本経済にとっていいか悪いかの議論はおいておき、自動車関連は、輸出関連銘柄として今後もしっかりと監視していくべき銘柄群です。

強い。

売買代金ランキング
【第19位】三菱商事<8058> 8684億円

強い。

全体は調整していますが、商社株だけは強い。ずっと強い。業績がいいのはもちろん、それまでずっと割安だったのが、ウォーレン・バフェットの投資によって世界の投資家に注目されるようになり、引き続き強く推移しています。

いわゆる5大商社(三菱商事と、三井物産<8031>、伊藤忠商事<8001>、住友商事<8053>、丸紅<8002>)だけでなく、売買代金の大きい商社は、自動車関連連と同じく、しっかりと監視を続けるようにしましょう。

いまこそ動くべき時

3月に黄色信号が出ていましたが、やはり4月は失速してしまいました。ですが、この調整は今後の大きな上昇のための準備期間である、と考えることもできます。

株価というのは一方通行で上昇はしません。4月のような調整する月に大切なのは、資金を減らさないことです。今年に入って、1〜3月には大きく資金を増やしたけれど、4月に大きく減らしてしまった人もいるかもしれません。

ですが、前回も書いたように、相場の変調は相場に現れます。そういったサインをしっかりと受け取って、攻めるべき時は攻める。守るべき時は守る。これをやるだけで資金は大きく増えていきます。

5月上旬までは、連休や決算発表シーズンということもあり、積極的に動きにくい期間ではありますが、夏に向けていい調整の期間になったと考えています。現在はまだ調整が続いていますが、そろそろ、次の上昇に向けた準備を始めましょう。

多くの人が休んでいる時こそ動くべき時です。大きなチャンスはまだまだ続きます。楽しんでいきましょう!

窪田 剛