【窪田剛の注目株】混乱した相場も終わってみれば… 年末に向けてプロが監視を続けるのは


2024年8月相場を振り返って

8月相場が始まって3営業日で、日経平均株価は39,101円から31,156円まで、一気に8,000円(正確には7,945円)下落しました。ただ、その後は何事もなかったかのように回復し、終わってみれば前月比−1.16%、グロース市場に至っては月間プラスで終わることとなりました。

日本は「利上げ」、アメリカは「利下げ」。為替は依然、1ドル=146円と円安水準のまま。ですが、この先、日米のトップが変わる選挙もあり、マーケットは今後大きく変化していくとみています。その大きな変化は、大きなチャンスでもあります。

まだ荒れ模様の相場ですが、次の大きな動きに向けてしっかりと8月を振り返り、これから来る大きな波に乗る準備を始めていきましょう。

指数7月終値8月終値騰落率
日経平均株価39,101円38,647円−1.16%
グロース250指数648ポイント669ポイント+3.24%
ダウ平均株価40,842ドル41,563ドル+1.77%

8月相場で上がった株・下がった株

そんな2024年8月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズオンラインスクール)

・2024年8月の売買代金トップ20

コード銘柄売買代金
16920レーザーテック4.67兆円
26146ディスコ4.29兆円
38035東京エレクトロン3.65兆円
49984ソフトバンクグループ2.83兆円
57011三菱重工業2.69兆円
68306三菱UFJフィナンシャル・グループ2.56兆円
78316三井住友フィナンシャルグループ2.49兆円
87203トヨタ自動車2.25兆円
96857アドバンテスト1.99兆円
109983ファーストリテイリング1.80兆円
116501日立製作所1.33兆円
126758ソニーグループ1.09兆円
136861キーエンス1.01兆円
146098リクルートホールディングス9954億円
154063信越化学工業8866億円
168411みずほフィナンシャルグループ8688億円
178058三菱商事8297億円
186723ルネサスエレクトロニクス7955億円
193382セブン&アイ・ホールディングス7742億円
208766東京海上ホールディングス7737億円

・2024年8月の値上がり率トップ20

コード銘柄値上がり率
16836ぷらっとホーム+309.5%
22586フルッタフルッタ+175.0%
36362石井鐵工所+172.5%
44485JTOWER+121.0%
57776セルシード+90.2%
66698ヴィスコ・テクノロジーズ+85.9%
75395理研コランダム+85.2%
83300アンビション DX ホールディングス+70.8%
97707プレシジョン・システム・サイエンス+67.1%
104506住友ファーマ+60.0%
116574コンヴァノ+56.6%
128894REVOLUTION+56.0%
132754東葛ホールディングス+52.7%
142901ウェルディッシュ+51.1%
158072日本出版貿易+47.3%
165616雨風太陽+46.7%
173775ガイアックス+46.6%
187383ネットプロテクションズホールディングス+44.5%
197362T.S.I+44.1%
208254さいか屋+43.4%

・2024年8月の値下がり率トップ20

コード銘柄値下がり率
13841ジーダット-55.2%
27063Birdman-47.7%
33667enish-43.1%
43927フーバーブレイン-42.0%
53189ANAP-40.6%
65618ナイル-40.0%
73224ゼネラル・オイスター-38.1%
85255モンスターラボホールディングス-36.9%
92743ピクセルカンパニーズ-35.7%
104053Sun Asterisk-33.1%
113436SUMCO-33.0%
124935リベルタ-33.0%
134286CLホールディングス-32.5%
146521オキサイド-32.4%
153041ビューティカダンホールディングス-32.2%
164424Amazia-31.8%
174911資生堂-30.9%
186537WASHハウス-30.7%
194883モダリス-30.3%
206030アドベンチャー-29.7%

8月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

これからも目を離すな

売買代金ランキング

【第1位】レーザーテック<6920>      4.67兆円
【第2位】ディスコ<6146>         4.29兆円
【第3位】東京エレクトロン<8035>     3.65兆円
【第4位】ソフトバンクグループ<9984>   2.83兆円
【第9位】アドバンテスト<6857>      1.99兆円
【第15位】信越化学工業<4063>       8866億円
【第18位】ルネサスエレクトロニクス<6723> 7955億円

毎月恒例ですが、上位20銘柄のうち半導体関連は7銘柄となり、先月から1つ減りました。

8月には、半導体銘柄を世界で牽引しているエヌビディア<NVDA>の決算発表もありました。好決算にもかかわらず期待が高すぎたため株価は下落で反応しましたが、今後どうなるかはまだまだわかりません。

ここで取り上げた半導体銘柄も、チャート的には崩れてしまっており、回復には時間がかかりそうです。しかし、世界経済を引っ張るという意味で、やはり半導体関連は常に視界に入れておきたい銘柄です。

日経平均5万円、そして10万円にいくとしたら、半導体関連は必ずその中心地にいるはず。目をそらさずに監視を続けましょう。

引き続き、要注目

売買代金ランキング

【第6位】三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306> 2.56兆円
【第7位】三井住友フィナンシャルグループ<8316>   2.49兆円
【第16位】みずほフィナンシャルグループ<8411>    8688億円

メガバンク3行は、引き続き要注目です。ただ、8月の暴落でチャートは崩れてしまっており、7月の高値回復までには道のりが遠そうな形となっています。とはいえ、金利上昇局面において銀行関連は必ず注目される場面が増えます。しっかりと監視を続けておきましょう。

いよいよ舞台は整った!

金利が上がると株価には悪影響ではありますが、果たしてどうなるか。混乱しそうな8月に備えて、しっかりと振り返っておきましょう。

7月コラムの一文です。「混乱しそうな8月」……本当に、めっちゃ混乱しましたね(苦笑)

ただ、月初に混乱したため、その後、株価は回復しており、なかには高値更新している銘柄も出ています。今後に向けていい〝アク抜き〟をしたような状況と言えるでしょう。弱気は振り落とされて、上値が軽くなった可能性もあります。

また、日米ともにトップが替わる予定です。新しいリーダーは自分主導で新しい政策や経済対策を打ち出して人気を取りつつ、新たな切り口で産業を育てていくことになります。その結果、特定の業界に資金が大きく流れ込む、といったことが起こり得ます。それは、数か月以内にも起こるでしょう。

年末、そして来年に向けて、いよいよ舞台が整ってまいりました。いい感じの銘柄も増えています。9月相場から年末にかけては、しっかりと稼げる相場になりそうです。ぜひとも楽しんでいきましょう!

窪田 剛