【窪田剛の注目株】半導体関連から生成AI関連へ。そして次なる主役は…


2025年1月相場を振り返って

ついにトランプ大統領が就任しました。「アメリカの黄金期が始まる」という趣旨の演説がありましたが、世界は今後どうなっていくのか。これからいろいろな驚きの政策や発言が飛び出すかもしれません。期待が高まります。

ただ、マーケット的に注意したほうがいいのは、ダウ平均株価とナスダック指数は史上最高値圏にあるものの、今年に入ってからは高値を更新できていないということ。今夜(31日夜)にも更新する可能性はありますが、反対に今後は調整が始まる可能性も視野に入れておきましょう。

このまま上昇すれば素直に「買い」でよいのですが、「1か月以上も足踏み」しているようにも見えます。さらに、その反対の「今後の大きな上昇の前触れ」にも見えます。上昇を期待しつつも、反対の動きにも備える。そんな2月が始まります。

指数12月終値1月終値騰落率
日経平均株価39,894円39,572円-0.81%
グロース250指数644ポイント650ポイント+0.93%
ダウ平均株価42,573ドル44,545ドル+4.63%

1月相場で上がった株・下がった株

そんな2025年1月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズ)。

・2025年1月の売買代金トップ20

コード銘柄売買代金
16146ディスコ4.66兆円
26857アドバンテスト3.48兆円
35803フジクラ3.12兆円
47013IHI2.50兆円
58035東京エレクトロン2.35兆円
66920レーザーテック2.04兆円
78306三菱UFJフィナンシャル・グループ2.00兆円
87011三菱重工業1.95兆円
99984ソフトバンクグループ1.87兆円
107203トヨタ自動車1.41兆円
119983ファーストリテイリング1.36兆円
127974任天堂1.26兆円
137012川崎重工業1.22兆円
148316三井住友フィナンシャルグループ1.05兆円
154676フジ・メディア・ホールディングス9773億円
166501日立製作所9692億円
178411みずほフィナンシャルグループ8828億円
187267ホンダ8342億円
196758ソニーグループ8166億円
206861キーエンス7021億円

・2025年1月の値上がり率トップ20

コード銘柄値上がり率
14889レナサイエンス+278.7%
25243note+154.4%
36697テックポイント+130.7%
43825リミックスポイント+116.5%
55277スパンクリートコーポレーション+106.0%
62962テクニスコ+81.9%
75246ELEMENTS+71.1%
86721ウインテスト+70.9%
9278ATerra Drone+67.6%
103137ファンデリー+64.9%
11276Aククレブ・アドバイザーズ+64.5%
125574ABEJA+61.6%
132586フルッタフルッタ+61.2%
145535ミガロホールディングス+61.0%
152936ベースフード+57.2%
16269ASapeet+55.4%
174593ヘリオス+53.1%
183823THE WHY HOW DO COMPANY+44.8%
192345クシム+44.5%
20150AJSH+42.9%

・2025年1月の値下がり率トップ20

コード銘柄値下がり率
14935リベルタ-67.8%
2205Aロゴスホールディングス-49.7%
37067ブランディングテクノロジー-42.2%
44499Speee-41.5%
54576デ・ウエスタン・セラピテクス研究所-39.3%
6304Aフォルシア-38.5%
7219AHeartseed-36.9%
83672オルトプラス-36.6%
96620宮越ホールディングス-36.4%
106492岡野バルブ製造-27.5%
117746岡本硝子-26.8%
122884ヨシムラ・フード・ホールディングス-25.2%
135577アイデミー-23.5%
14186Aアストロスケールホールディングス-23.3%
159552M&A総研ホールディングス-23.2%
164461第一工業製薬-23.1%
17280ATMH-22.8%
187220武蔵精密工業-22.4%
195129FIXER-22.2%
209073京極運輸商事-22.0%

1月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

半導体関連、改め、生成AI関連

売買代金ランキング
【第1位】ディスコ<6146>       4.66兆円
【第2位】アドバンテスト<6857>    3.48兆円
【第3位】フジクラ<5803>       3.12兆円
【第5位】東京エレクトロン<8035>    2.35兆円
【第6位】レーザーテック<6920>    2.04兆円
【第9位】ソフトバンクグループ<9984> 1.87兆円

これまでは「半導体関連銘柄」としてまとめていましたが、ここで挙げたのは「生成AI関連銘柄」です。もちろん中心は半導体関連ですが、たとえばフジクラ<5803>は生成AIを動かすためのデータセンターで必要になってくる通信ケーブルの会社です。

また、ソフトバンクグループ<9984>は、孫正義会長がアメリカのトランプ新大統領と面会し、(他社と共同で)アメリカおよびAIに5年で約78兆円の投資をすると約束したことが注目を浴びました。

いろいろなニュースがありますが、まだまだ生成AIや半導体からは目が離せません。

さらなる上昇の可能性も

売買代金ランキング
【第4位】IHI<7013>   2.50兆円
【第8位】三菱重工業<7011> 1.95兆円
【第13位】川崎重工業<7012> 1.22兆円

トランプ銘柄の筆頭、防衛関連銘柄です。防衛費は今後大きく増えることが決まっているため、必然的にこの3社には資金が流れ込みます。すでにその分を織り込んだ動きにはなっていますが、きっかけがあればさらに大きく上昇していく可能性があり、目が離せません。

失った輝きを取り戻せるか?

売買代金ランキング
【第7位】三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306> 2.00兆円
【第13位】三井住友フィナンシャルグループ<8316>   1.05兆円
【第17位】みずほフィナンシャルグループ<8411>    8828億円

17年ぶりの利上げから半年たった1月24日、再度、日銀の金融政策決定会合で政策金利が0.25%から0.5%に引き上げられました。利上げは銀行にとってポジティブであるため、メガバンク3行は大きく注目を浴びています。

17年間ずっと上がらなかった金利が解き放たれたいま、銀行株が輝き取り戻すことになるのか! 注目していきたいと思います。

次なる主役候補かもしれない

値上がり率ランキング
【第2位】note<5243>  +154.4%(511→1,300円)
【第12位】ABEJA<5574> +61.6%(1,608円→2,600円)
【第16位】Sapeet<269A> +55.4%(2,519円→3,915円)

半導体やデータセンター、電線など、生成AI関連銘柄はここ数年で大きく上昇しました。もちろん、この先も大きく上昇していく可能性が高いですが、やや風向きが変わりつつあるのかな、とも感じます。

というのも、これまで大きく上昇してきたのは、生成AIをつくったり動かしたりするためのインフラがメインでした。しかしこれからは、その生成AIを使った新しいサービスがどんどん伸びてくる段階になってきたのではないか。そう思わせるのが、この3銘柄のランクインです。

  • note<5243>……米グーグルの出資を受け、今後「Gemini」(グーグルの生成AI)を利用していくと発表し、大きく上昇
  • ABEJA<5574>……もともとAIを利用したサービスを展開していましたが、その性能が米オープンAIの「GPT-4」をいくつかの指標で上回ったと発表され、大きく上昇
  • Sapeet<269A>……大きな発表はないものの、昨年10月末の上場後に大きく上昇し、その後は大きく下落。その反発で上昇

AI関連は、もちろん今でも半導体やデータセンターが中心で動いていますし、ここでピックアップした企業もまだまだ規模は小さいです。ですが、こういった動きを無視するのではなく、ここから何を読み取るかが大事になってきます。さあ、それは何でしょうか?

今後またチャンスがあるかも

値下がり率ランキング
【第20位】武蔵精密工業<7220> -22.4%(3,960円→3,070円)

昨年11月の決算発表後、出来高を伴って急伸し、株価は2,000円から4,355円まで大きく上昇しました。その後も高値を保っていましたが、1月後半に失速。値下がり率ランキングに入ってしまいました。

ただ、11月に2,000円、12月に4,000円、1月に3,000円なので、11月に比べると+50%と大きく値上がりしているままであり、上昇トレンドは継続中です。すぐにではないにせよ、今後も監視を続ければチャンスがあるかもしれません。

あのニュースで上がった株を探せ

中国のスタートアップ企業、DeepSeek(ディープシーク)によって生成AIのコストが大きく下がるかもしれない──

このニュースに対し、半導体関連やデータセンター関連の銘柄は「下げ」で反応しました。インフラへの投資が少なくなるかもしれないという懸念なのでしょうが、反対に、このニュースで上昇した銘柄もあります。

値上がり率ランキングから取り上げた銘柄もそうですが、2025年は生成AIを利用して既存の事業を伸ばす、新しいサービスをつくる、といった企業が大きく伸びる可能性があります。そうした企業を丁寧に拾っていくことで、2月も大きく稼げる可能性が高いと思っています。

では、どのあたりの銘柄がそれに当てはまるのか。いくつかあるのですが、値動きを見ればわかるはず。ぜひ探してみてください。

……で終わらないのが、このコラムのいいところ。1銘柄だけヒントを。

「It’s me, Mario!!」

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窪田 剛