株の学校ドットコムでは、全国の個人投資家800人を対象に、どんな株取引に興味があるのかについてアンケート調査を実施しました。
近年注目度の高い「高配当株」を抑えて1位となったのは「株主優待」。改めて、根強い人気の高さを示しました。その一方で、「定期預金より増えれば良い」という堅実な意見も多くあり、それぞれが多様なスタンスで株式投資に取り組んでいる様子がうかがえる結果となりました。

「株主優待」「高配当株」が4割近い支持を集める
株式投資といっても様々なスタイルがありますが、個人投資家に支持されているのはどんな取引なのでしょうか。
本調査では「高配当株で配当生活を実現したい」「成長株でテンバガー(10倍株)を当てたい」「投資信託で運用をお任せしたい」など17の選択肢(「その他」を含む)を用意し、興味があるものを複数回答で選んでもらいました。
その結果、最も多くの人の回答を得たのは「株主優待でお得感を得たい」で、全体の4割近い(315人・39.4%)支持を集めました。
わずかの差で2位となったのは「高配当株で配当生活を実現したい」(298人・37.3%)で、3割を超える回答率を得たのはこの2つのみ。どちらも根強い人気の高さがうかがえます。

反対に不人気だったのは「旬(テーマ)の銘柄で大きく稼ぎたい」「デイトレードでがんがん稼ぎたい」「IPOで爆上がり銘柄を当てたい」「短期トレードで早くお金を増やしたい」など、短期間で大きな利益を追求する投資でした。
「インデックス投資」は若者に人気だが、シニアには不人気
この結果を年代別に分析してみると、「株主優待でお得感を得たい」「高配当株で配当生活を実現したい」は年代に関係なくトップ3に入っており、幅広い世代で人気があることがわかります。

年代による違いが見られたもののひとつが、「インデックス投資で手間なく増やしたい」です。20代と30代では、いずれも3割近い回答を得てトップ5にランクインした一方、50代以上では2割を下回り、順位も、50代で9位、60代と70代では10位と下位に沈みました。

これに対して、20代・30代ではトップ5から落ちてしまった「定期預金より増えれば良い」は、年代が高くなるほどに人気が高くなっています。20代と30代では7位ですが、40代では5位、50代では3位、60代と70代では2位まで上昇。回答率も3〜4割まで伸びています。
株式投資の魅力は安定したリターン…だけではない
NISAなどをきっかけとして株式投資を始める人が増える中、いわゆる〝オルカン〟などの「インデックス投資」が注目を集めていますが、今回のアンケート調査では、「株主優待」「高配当株」という安定したリターンを得られる投資スタイルが、依然として根強い人気を誇っていることがわかりました。
さらに、全体のトップ5には「定期預金より増えれば良い」「安心感のある好業績銘柄の株を買いたい」といった項目が並んでおり、これは昨年行った同様のアンケート調査と共通する傾向です。個人投資家の多くが、安定的な資産形成の手段として株式投資にのぞんでいることのあらわれと言えるのではないでしょうか。

〈参考〉【個⼈投資家800⼈調査】やりたい株式投資ランキング、2位は「⾼配当株」、僅差の1位は?
ただ全体を見てみると、必ずしも「安定」「安心」に人気が偏っているわけではありません。回答率が全体で3割を超えたのは「株主優待」「高配当株」のみで、それ以外も満遍なく選ばれる結果となりました。若者に人気の「インデックス投資」や「好きな会社を応援」のほか、短期間で利益を追求するスタイルも一定の支持を得ています。
安定したリターンを望む人、資産を大きく増やしたい人など、それぞれに合ったスタイル・やり方で取り組めることは、株式投資の大きな魅力のひとつです。株の学校ドットコムでは、株式投資による資産形成を目指すすべての人が、自身に最適な方法を選び、望む結果を得ることができるよう、今後もより良い情報発信に努めてまいります。