ランキングで見るプロの注目銘柄 2023年2月編
不安の残る相場に見えた希望… 来たるべきチャンスに向けてプロが期待する銘柄とは
日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか?
講師の窪田剛が、3つのランキングから2月相場を振り返ります。
2月相場を振り返って
「ChatGPTすげぇー」
と、多くの人が話題にしたAIチャットボット。質問を投げかけると会話形式で回答してくれるAIの精度が高く、約1年前に話題になった「Midjouney」(ハイクオリティの絵をAIが自動生成してくれるサービス)以上の驚きで話題となりました。
そんな「ChatGPT」を使ったサービスを展開すると発表した企業の株価が大きく伸びるなど、AIの話題が中心の2月となりました。
どんどん新しいものができてくるのは楽しいですね。それに伴ってどんな銘柄が上昇していくのかを考えるのも楽しい。いや、もう上がる銘柄をAIに教えてもらうほうがいいかな? このコラムもAIに書いてもらう日も近い??
絵や文章だけではなく、映像やストーリーまで作ってくれるAI。これからもしっかり追いかけて、関連銘柄の上昇を掴んでいきたいですね。
2月相場で上がった株・下がった株
そんな2023年2月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:CMBトレード塾)。
・2023年2月の売買代金トップ20
・2023年2月の値上がり率トップ20
・2023年2月の値下がり率トップ20
2月相場でプロが気になった銘柄
このランキングの中から、私が気になった銘柄をピックアップします。
・売買代金ランキング
【第4位】日本製鉄<5401> 9,918億円
1月に引き続き2月も「鉄」が中心の1か月でした。株価も大きく上昇(2,695円→3,182円:+18%)し、売買代金も4位まで上昇(前月は8位で7,327億円)。
AIが話題になったとはいえ、重厚長大産業の要であり世界経済に欠かせないのは、AIではなく鉄であります。今年に入り大きく上昇しているので、いったん調整するかもしれませんが、そこがチャンスになるかも?
まだまだ鉄から目が離せません。
【第1位】レーザーテック<6920> 4兆円
【第3位】東京エレクトロン<8035> 1.09兆円
【第18位】信越化学工業<4063> 4343億円
【第21位】アドバンテスト<6857> 3718億円
来ました、半導体! 戦後日本の産業の中枢を担う「産業の米」として産業全体を支えてきた半導体が、ここにきて復活の兆しを見せています。
鉄と半導体が上昇してくれば、経済全体の温度が上昇してきた証し。まだまだ全体の株価は横ばいを続けていますが、この2大業界に勢いがつけば、面白いことになってくるかもしれません。
AIが話題になって、そのAIを動かすために半導体が必要だという側面も忘れてはいけません。2023年だけでなく今後、息の長い注目産業になるでしょう。
【第7位】日本郵船<9101> 8102億円
【第12位】川崎汽船<9107> 6022億円
【第13位】商船三井<9104> 5015億円
鉄、半導体と続いてご紹介するのが「海運」です。大きく上昇した2020年、2021年、お休みした2022年、そして静かに再度、高値圏まで上昇してきました。
ここからさらに大きく上昇することは考えにくいですが、経済の基礎を支える鉄と半導体、そして海運にも資金が入っている状態というのは、なんだかとても良い傾向に思えます。でも日経平均はまだ横ばい。これは、大きなチャンスの前触れじゃないか? と日々ワクワクしながら相場を眺めています。
・値上がり率ランキング
【第22位】note<5243> +78.4%(446円→796円)
2月8日に「最新のチャットAI」を活用してサービスを展開していくというリリースを出し、株価が大きく上昇しました。多くの人がChatGPTの性能の高さに驚いているタイミングでのリリースだったため、株価も大きく反応しました。
世の中の動きに合わせてリリースを打つのは多くの企業が行っていて、株価は上昇しやすいです。ただし、それが実際の収益につながるかどうかはわかりません。
過去には、会社が行っている事業には全く関係ないのに社名に「ブロックチェーン」や「AI」を入れたりして株価を上げた企業もありましたが、結局は下落してしまっています。
流行りに乗って株価を上げただけなのか、それとも実際に収益が上がっているから株価が上がっているのか、しっかりと見極めたいですね。
しっかり準備して、上昇に乗ろう!
話題という意味では「AI」に大きく注目が集まりました。
しかし株価という意味では、AI関連よりもそれを支える「半導体」や、「鉄」「海運」といった大きな業界が一歩踏み出した感じを受けた2月相場でした。重厚長大であるがゆえに、一度動き出すと大きな動きになる一方、動き出すには時間がかかりますが、その分しっかりと準備する時間もありそうです。
日経平均を見ると横ばい推移が続いており、ぱっとしない印象を受けますが、しっかりと上昇している業界や個別銘柄は数多くあります。しっかりと銘柄を選んで、大きな上昇に乗っかって、大きく稼いでいこうじゃありませんか!!
なお、このコラムは人間が書いております。
AIのほうがいい文章が書けるとは思うけれど、もう少し、私という人間にお付き合いくださいませ。
(株の学校ドットコム講師・窪田 剛)